オフィスの甘い獣(ケダモノ)
最初はリビングで5人で談笑する。



「…あの臣が…『オリオン』の副社長に就任するなんて驚いた…」


「臣さん…披露宴にも出席してくれていたんだよね…私…全然気づかなった…」


お母さんが私の眼鏡を取り上げたコトもあって…披露宴の時は目の前の料理もハッキリと見えなくて…食べるのにも苦労した。
披露宴の出席者の顔なんて全然、見えなかった。

「…臣の仕事ぶりはどうだ?」



「…え、あ…頑張っているわよ」



お義兄ちゃんは大学時代の友人として臣さんを気に掛けていた。

私は話題を変えようとお義兄ちゃんに話し掛ける。




「学校の方はどうなの?お義兄ちゃん」
私は何の躊躇いもなく自然に渉さんのコトをお義兄ちゃんと呼んでいた。
…和さんにキモチが傾いたせいだ。

臣さんと同じ教育学部を出たお義兄ちゃんはあの名門校・習学院高等部の数学教師をしていた。



「別に何も変わったコトはないよ…」


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