〖短編〗アオゾラ。―101ページの思い出―
「はー…高校、ねぇ。」
わたしはベッドから起き上がり、机の上の体験入学を知らせるプリントに目をやった。
もう、ほとんど行き尽くしてしまった高校の体験入学。
しかし、実際に見ていない高校が1つ、他のプリントの下に埋もれていた。
「あれ、ここ───…『柴多第1高校』…?」
確かに、行ったことのない学校だ。
…行っても意味ないと思うんだけどなー…。
しょうがない、行ってみるか。
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───…
翌日、わたしは申込書を先生に提出した。
先生には、
「オマエもようっやく行く高校が見つかったんだな!」
と言われてしまうザマだ。
やはりまずかったんだろう。
先生は、わたしを心配している、というより、
自分の生徒が、高校進学を考えていない事に焦っている様に見えた。