御劔 光の風3
それは貴未も日向も思わず見惚れてしまう程の美しさだった。

「まさか…この竜が…?」

「光の精霊・桂だ。」

光をおさめた竜は紅い瞳で貴未たちを捕らえると探るように目を凝らした。

その迫力に少し狼狽え後ろに体重を寄せるが、頭の中でその羽根の色に見覚えがあることを思い出していた。

確かカルサが連れて帰ってきたラファルも桂と同じ黄金の色だった。

「長は…カルサを知っているのですか?」

答えが怖かったが貴未は真実を探る道を選んだ。

分からないまま終わりたくはない、それが伝わったのか長は少し考えた後に口を開いた。

「どちらとも言えん。伝え聞いたまでだ。…災いを呼ぶ名であると、な。」

「災い。」

なんとも言えない破壊力を持つその言葉は案の定貴未の心に重く入ってきた。

脳裏に浮かぶカルサはいつも遠い目をして孤独に戦う姿だ、それも何か関係しているのだろうか。

「その様子だと…長く時間は共にしても深入りはしていないのだろう、貴未?」

長の言葉に息を飲んで拳を握る、まさに図星だと、いま貴未が感じていることだった。

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