御劔 光の風3
「カリオでは過去最大の力の持ち主だろう。そして…世界の終焉と始まりを作った人物でもある。」

玲蘭華を実際に見たサルスの話や紅の話ではカルサよりも力が強いという話だった。

しかし長の話を聞く限りでは次元が違うようにも思える。

そしてカルサを襲った人物も玲蘭華と同等の力を持っていると聞いているが、それに立ち向かおうとしているカルサに勝ち目はあるのだろうか。

世界の終わりと始まりを作った人物、その巨大な力を考えるだけで貴未はどうしようもない無力感に襲われた。

「時生も世界を創れるのに…それ以上なんて…。」

「それは違う。時生の言い伝えはだいぶ誇張されておってな、半分は作り話だ。いや…半分は別の人物の話を織り込んでいると言った方がいいか。それこそが玲蘭華だ。」

つまりは世界の終わりと始まりを作った玲蘭華の話を時生のものとして言い伝えていったということなのだ。

災いとまで言われた女性の話を言い伝えていく、忘れてはいけない何かを後世に残そうと考えた先人がいたのだろう。

では時生の末路は彼女自身の真実なのだろうか、理由は分からないが玲蘭華はまだこうして生きている。

別人とは思えないことからあの時カルサを救う為に現れたのは同一人物の筈だ。

< 124 / 729 >

この作品をシェア

pagetop