御劔 光の風3
二人ともが災いと言われる理由が知りたい。

「長と呼ばれているが…儂にはそんな力はない。こうして伝えていくことが自らの役割としてこの身を置いているのだ。…貴未。」

「はい。」

長からの告げられる何かを感じ取って貴未は構えて返事をした。

「本来なら時を待って伝えたかったのだが、そうも言ってはいられない。お前と永、二人が特別な存在であったことは自分自身も気付いていただろう?」

「…はい。」

「儂らには出来ず、時生や玲蘭華、お前たちにしか出来ないことがある。監視者として長とは別の力を持ち特別な扱いを受ける彼女らを代々オフカルスへと送り出してきたのだ。世が世なら…お前たちも神官として中心世界へ上がっただろう。」

長の話すことは直接的には伝えてこなくても貴未には何を意味しているかがよく分かった。

「貴未、お前たちは時生と同じ力を持つ歯車の監視者なのだ。」

初めて知らされるカリオや自身の真実に貴未はただ受け止めるだけで精一杯だった。

見えない場所で繋がっていた全て、そこには自分も浅からず知らぬ間に関わっていたということになる。

それが偶然なのか必然なのか、自ら選び取った運命なのか。

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