御劔　光の風３
「はい。」

「カリオの役割とは運命の歯車の監視。これらは世界の全てを現した形なのだ。」

貴未は言葉なく当然のように存在していた歯車たちを見渡した。

幼い頃から生活の一部としてあったこの歯車たちは実はとんでもないものだったということだ、貴未にとって信じられないことだった。

「お前も知っていると思うが…カリオに住む誰もがお前たちの様な力を持っている訳ではない。時生にしても彼女はやはり特別だったと聞いている。だが時生以上に力が強い者が過去にもいた。」

目を大きく開いて反応する貴未に長は渋い顔をして口を開く。

「この名もまた…災いと言われているが…。玲蘭華と言う女性だ。」

「り…っ！？」

思わず強い反応を示し、貴未は足を踏み出した。

今まで以上に心臓が速く打ち全身の血が目まぐるしく動き回っているようだ。

「知っているのか？」

長は貴未の様子に驚いたようだった、彼の頷く姿に苦々しい表情を見せるも諦めたように受け入れる。

知らされずとも巻き込まれていたのだと察したのだ。

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