御劔 光の風3
核心を突く言葉にカルサは目を見開いて息を飲んだ。

「光の精霊・桂を連れていても本来の力を引き出せていない筈です。」

「…テスラ。」

「ここなら制限もありません。思いのままに力を放出するには持って来いでしょう。誰にも害は及ばない。」

睨むカルサの鋭い視線に怯むことなくテスラは同じ調子で言葉を続けていく。

さらには余裕の笑みを浮かべて言葉を続けた。

「ここで自分の力の本質を知っておくことも大切ですよ?貴方が暴走した時の為にも。」

上を向いていた指先はカルサの心臓へと向けられる。

次々と突きつけられる事に何も返す言葉がない。

言われなくても、以前の自分ならそう答えただろうがもうそういう荒さは無かった。

カルサは諦めに似たため息を吐いて視線を落とす。

「確かに一理あるよな。」

「おや。随分と大人になりましたね。」

「…お陰様で。」

そう言うなりカルサは前の方にゆっくりと歩き始めた。

テスラはそれ以上何も言わずにカルサの背中を黙って見送る。

これからカルサがやろうとしていること、それを見守ろうとその場から立ち去るつもりは無かった。

興味と恐怖、交錯する感情に身震いがするのを堪えながらテスラは興奮でさえも抑え込んだ。

どれ程の力を持っているのだろうかと。

「…解放、か。」

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