御劔 光の風3
その言葉はカルサの粟立つ気持ちを鎮めていった。
あの二人に限って、そう言われることで安心する自分もどうかしているのだろうか。
しかしそれだけは疑いたくない確かな事実だったのだ。
「過去を覗き見ることは出来ますが…今ではそれを拒む力が強すぎて私でさえも見ることが出来ません。特に太古に関することは。」
「それは玲蘭華が?」
「…それだけとは言い切れませんね。あの事件は多くの人が関わり念を抱いています。今を生きる人も既に亡くなった人もとにかく人の念が多すぎる。」
特に、そう呟いた後さすがのテスラも言葉を濁した。
その先の名前をカルサは知っている。
もしかしなくてもそれが大きな原因であるとは知っているが、気になるのはそれ以外の要因があった可能性が捨てきれないことだ。
「確かにヴィアルアイの念が一番大きいだろうな。」
「何にせよ事の始まりの全てを知っているのは神官たち。特に詳しいのが玲蘭華であることは間違いないでしょう。」
「…一度話を整理していた方がよさそうだ。」
「そうですね。それとカルサトルナス、私から一つ提案があります。」
人差し指を立てたテスラからはさっきまでの重い空気は無くなっていた。
どうやら話は全く違うものになるらしい。
一体何を言われるのだろうかとカルサは目を大きくしてその言葉の続きを待つ。
「折角の修行場です。貴方のもてるその力、その全てをここで解き放ってみてはどうですか?」
「解き放つ?」
「本来であれば火の力を持っていた貴方です。その身体の光の力を使いこなせていないのでは?」
あの二人に限って、そう言われることで安心する自分もどうかしているのだろうか。
しかしそれだけは疑いたくない確かな事実だったのだ。
「過去を覗き見ることは出来ますが…今ではそれを拒む力が強すぎて私でさえも見ることが出来ません。特に太古に関することは。」
「それは玲蘭華が?」
「…それだけとは言い切れませんね。あの事件は多くの人が関わり念を抱いています。今を生きる人も既に亡くなった人もとにかく人の念が多すぎる。」
特に、そう呟いた後さすがのテスラも言葉を濁した。
その先の名前をカルサは知っている。
もしかしなくてもそれが大きな原因であるとは知っているが、気になるのはそれ以外の要因があった可能性が捨てきれないことだ。
「確かにヴィアルアイの念が一番大きいだろうな。」
「何にせよ事の始まりの全てを知っているのは神官たち。特に詳しいのが玲蘭華であることは間違いないでしょう。」
「…一度話を整理していた方がよさそうだ。」
「そうですね。それとカルサトルナス、私から一つ提案があります。」
人差し指を立てたテスラからはさっきまでの重い空気は無くなっていた。
どうやら話は全く違うものになるらしい。
一体何を言われるのだろうかとカルサは目を大きくしてその言葉の続きを待つ。
「折角の修行場です。貴方のもてるその力、その全てをここで解き放ってみてはどうですか?」
「解き放つ?」
「本来であれば火の力を持っていた貴方です。その身体の光の力を使いこなせていないのでは?」