凪とスウェル
そんなこんなで。


あたしは隆治と一緒に試験勉強をすることになってしまった。


お店の中を通り、靴を脱ぎ、隆治の家に上がる。


「お邪魔します…」


お店には来たことがあるけど、家に入るのは初めてだ。


廊下を通り、台所に入って行く隆治。


あたしもその後ろに付いて行く。


台所はなんだか薄暗くて、真ん中に古そうなダイニングテーブルが置かれていた。


「食器棚にコップあるから、出して」


隆治に言われ、これまた古い食器棚からグラスを二つ取り出す。


隆治は冷蔵庫を開け、ペットボトルのジュースを取り出し、テーブルの上にあったポテチの袋を手にした。


「じゃあ、2階に行こう」


そ、それってつまり…、隆治の部屋に行くのよね?


うわー。


隆治の部屋に入るのなんて、初めてなんだけど。


あたしは階段を上がるたびに、心臓の鼓動が速くなっていくのを感じた。
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