凪とスウェル
今からもう何年も前のことになるけど。


高3の1月下旬。


同級生達はセンター試験も終わり、私立大学の受験が始まった頃だった。


俺はと言うと、受験もしないし、中学の頃の友達や近所のヤツらと自分の家の部屋で遊ぶ毎日で。


そこに隆治もよく顔を出してたんだ。


アイツってさ、自分の家にあまり帰りたがらないヤツでね。


あんまり深い事情は教えてくれなかったけど、家に自分の居場所がないとかで。


そんな隆治を放っておけなくて、俺はよくアイツを家に泊めたりしてた。


あの日もそうだった。


あの日はすごく寒い日で、外は雪が降ってたんだけど。


そんななかでも、隆治とサエが俺の家に遊びに来てた。


特に何するってこともないんだけど、ゲームしたり、漫画読んだりして、いつものように過ごして。


気がつけば、結構遅い時間になっていた。

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