凪とスウェル
事故当日。


俺、生きた心地がしなかったよ。


夢だったらいいのにって、何度思ったかわからない。


どうしようもなく心細くて、苦しくて、倒れてしまいそうななか。


千春さんのご両親に、とりあえず今夜は帰りなさいって言われて。


俺、右京の両親や右京に励ましてもらいながら、自宅まで送ってもらったんだ。


家に帰ると、リビングに母親と義理の父親がいたからさ。


俺、話したんだ。


友達のバイクで事故を起こしたこと。


相手は病院に運ばれて、今オペ中だということ。


洗いざらい全部、正直に話したよ。


当然だけど、母親はすごく驚いていた。


相手の方のケガの状態はどうなの?とか、色々聞かれたけど。


それはまだわからないと答えた。


母親は複雑そうな顔をしていたけれど、とりあえず隆治が無事でよかったと言ってくれた。


とにかく今夜はもう遅いから、お風呂に入って寝なさいって言われて。


その言葉に少しホッとして、俺は風呂に入ったんだ。
< 532 / 733 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop