凪とスウェル
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遠くでスマホの着信音が聞こえる。


この音って、電話だよな?


一体誰だよ。


はぁ…、身体中が熱い。


これって多分、熱が出てるんだろうな。


しんどいし、無視しよ。


でも…。


でも、もしすずだったら?


そう思うとなんだか気になってしまい。


フラフラする身体を無理矢理動かし、机の上に置いていたスマホを手に取った。


だけど。


残念ながら、相手はすずではなかった。


なんだよ。


こんな時に起こしやがって!


タイミングの悪さに無性に腹が立った。


その電話の相手は、かなり久しぶりの相手で。


かかって来ても、ずっと無視し続けていた。


今日もそうすれば良かったんだ。


だけど、今日の俺はどうかしていた。


すげーしんどいくせに。


いや、しんどいからなのか。


俺はなぜか、通話ボタンを押してしまっていた。
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