凪とスウェル
「ねぇ、すずちゃん」


「ん?」


「ちょっと相談に乗って欲しいことがあるんだけど、いいかなあ?」


「相談?」


突然意外なことを言われ、思わず顔をしかめてしまった。


湯本さんがあたしに相談って一体何なんだろう?


「あのね、八神君のことなの…」


「え?」


ドキッと心臓の鳴る音がする。


八神…と聞いて、反応してしまう自分がなんだか悲しい。


「実はね、私…。中学の頃から八神君のことが好きなの…」


顔を真っ赤にして話す湯本さん。


やっぱり、ね…。


そうじゃないかなって思ってたんだ。


「そう。-で、あたしに相談って何かな?」


「えっと…。あのね」


湯本さんは少し言いにくそうに、上目遣いをした。


その顔がいちいち可愛いから、思わずふぅと息を吐いた。
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