凪とスウェル
「協力…してもらえないかなって思って」


「協力?

つまり、湯本さんと八神をくっつけるってこと?」


あたしの言葉に、ポッと顔を赤らめる湯本さん。


「あ、いや。そうじゃないんだけど」


「えー?じゃあ何なの?

あたしが八神に湯本さんの気持ちを伝えればいいの?」


「だ、だめだよっ!そんなの絶対言っちゃだめ!」


「え…。じゃあ、どうすればいいわけ?」


彼女のハッキリしない態度に、あたしはちょっとイラッとしていた。


湯本さんは一度深呼吸すると、申し訳なさそうにあたしの顔をじっと見つめた。


「あの…ね。

私と八神君、一年生の頃からずっと一緒に学校に通ってたの。

私、その時間がすごく大事で、それだけで本当に幸せだったから…。

だから、あの…」


そう言うと、湯本さんはスッと目を床に伏せた。


あぁ…。


なるほど…。


そういうことか。


つまり、あたしがジャマなんだ…。
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