凪とスウェル
「あれ? なんでズボンに履き替えた?」


隣に腰掛けた途端、八神がいきなりそんなことを言い出した。


「だって自転車に乗るし、釣りにはふさわしくないかと思って」


「さっきのあのスカートでよかったのに」


「え、なんで?」


きょとんと首を傾げていると、八神があたしの顔を見てニヤリと笑った。


「パンツ見えるから」


ベッと舌を出す八神。


「ちょっ、あんたアホなの?」


あたしがそう言うと、八神はクスクスと笑った。


八神は慣れた手つきでエサを針につけ、釣りを楽しんでいた。


小さい魚が数匹釣れていた。


この魚食べれるの?って聞いたら、当たり前だってひどくバカにされた。
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