こちら、なんでも屋でございます【3】
#5


それから二日後。
私は事務所で頭を抱えていた。

「早苗さんとの連絡も取れない、二階堂家には入れない!!」
「レイン、落ち着いて」
「なんで綺羅はそんな冷静なんだ!?一刻も早くなつめさんを見つけないと!!!」
「焦って依頼を中途半端にこなすのもよくないだろう??」
「あ、あぁ……そう、だな」
「それに、沙羅からの情報によると、なつめさんは二階堂家のある部屋に監禁されてるらしいからね」
「そうか……監禁か…………………はぁ!?監禁!?」
「はやく解放してあげないとね…」
「あー…ムカつく……」

私は綺羅からココアの入ったマグカップを受け取りゆっくり啜った。
しかし、腹の底から湧き出てくる怒りは抑えきれなかった。


「綺羅、私行ってくる」
「?どこへ行くんだい?」
「……」


コトン
マグカップを優しく置き、私は事務所のドアへ向かう。






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