ワーキングガールズ・クリスマス
あたしは夢を見ていた。


真っ白なレースのワンピースに身を包んで、真っ白な世界を一人で歩いていた。


裸足で触れる地面は羽毛みたいにふかふかで心地よくて、あたりにはふんわりと甘い香りが漂っていて。


幸せな気持ちで歩いていると、やがて遠くの方に男の人が一人立っているのが見えて。


あたしに向かって手を差し伸べていた。


顔はよく見えない、だけど微笑んでいる姿にやけにホッとして、あたしはためらうことなくその手を取る。


すると同時に腰の辺りに温もりがあって、見下ろすと、ちいくんがあたしに抱きついて満開の笑顔を見せていた。


『ちいくん?なんで?』


不思議に思いながらもその小さな頭を撫でる。


『弥生』


その時ハスキーな声があたしの名前を呼んで、くい、と繋いでいた手が優しく引かれる。


聞き覚えのある声に顔を上げると、あたしを見下ろして微笑んでいたのは千秋さんだった。


なんで、二人がここに?


『ここで何を…』


聞きかけてふっと視界が真っ暗になる。



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