やくたたずの恋
 ……最低だ。何でこんなヤツと結婚するために、努力しなきゃいけないんだろう?
 雛子の心が、次第に干物のようになっていく。しわしわで、かさかさな、味わいもない、どうしようもない干物に。
 干物を何とか生ものとして復活させようと、息を大きく吸い込んだ。だが干物は干物のままで、ただ乾いていくだけだ。急に脚がスースーし始めていたが、乾ききった心にとっては、どうでもいいことだった。
「おいおい、色気ねーな。縞パンかよ! もうちょっとマシな下着、着けろよなぁ」
 恭平の声に、「どうでもいいこと」が急に「一大事」へと変わる。雛子は慌てて下を見る。しゃがみ込んだ恭平が雛子のワンピースの裾を持ち上げ、中を覗いているのだ。
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