ワガママ狼男と同居始めました。
ヒトの世界は思っていたよりもずっと騒がしくて、賑わっていた。
「ビックリしてる?」
「うん。こんなにいっぱいいたんだな……。」
町へは丁と二人で来た。
丙も町へ行くのは危険だと思っているらしかった。
丁は山で採った山菜をヒトに渡し、円くて硬いものをもらった。
「これはお金。これがあれば欲しいものがもらえるの。」
丁は近くの店に入り、お金を渡し、豚の肉をもらった。
「お、ひのとちゃん。ボーイフレンドかい?」
肉を渡したニンゲンに声を掛けられ、俺は硬直する。
「違うよ!おじさん。」
丁は笑って店を出た。