ワガママ狼男と同居始めました。
「お姉ちゃん、おかえり!!」
丙に連れられて入った洞窟には、丙が家族だと言っていた狼女がいた。
「こいつは志木。狼男だ。」
丙が俺を紹介する。
「はじめまして、志木!
私の名前は丁(ひのと)!よろしくね!」
俺とおんなじくらいの年だろうか……。
丙は綺麗って感じだけど、丁は可愛い感じだ。
「私たちはこの洞窟で暮らしている。
丁はヒトの町へ行くこともあるんだ。」
「ヒトの!?」
「そうよ?ヒトの中にも優しいのがいるの。」
「そんなわけない!!」
つい声が荒くなる。
丁は別に気にする風でもなく、微笑んだ。
「明日町に行こう?きっと志木にも分かる。」
ヒトと交わるなんて……。
こいつはどうかしてる……。