今でもキミを。
櫻木柚希か。
「カッコいい名前だね」
「そんな事ないよ。そっちは?」
「私は、日高美憂」
自己紹介をすると、彼はまた笑顔で
「可愛いね」と言った。
お世辞だと解っていても
中々言われない言葉にドキドキする。
「お世辞ありがとう」
「お世辞じゃないって」
そう言うと柚希は、私の頭を優しく撫でた。
居心地が良いと感じるのは何でだろう。
「子供扱いしてるでしょ?」
「だって、ちっちゃいんだもん」
「これから伸びるの!」
この気持ちを何と表せばいいんだろう。
何て考えていたら、沙希の言葉が
頭を過る。
「「それは恋だね」」
恋―…?
「どうかした?」
「あ、ううん。何でもない」
これが、恋だと言うの?