世界一幸せな国Ⅰ



パァァアン!!


家に入ると突然鳴り響いた音。


その主はたくさんの使用人たちによるクラッカーだった。



「「「「「お帰りなさい!ローナ様、ユアン様!!」」」」」



ユ「ただいま」


「……ただいま」



たくさんの人に迎えられ、そして、パーティーをした。

この前の誕生日パーティーが最悪だったからとみんなで企画して考えてくれたそうだ。



忙しいのにも関わらず、仕事の合間を縫って準備をしてくれた。



前みたいな公のものではない。


私達の家族だけのパーティー。


笑って食べて飲んで、すごく楽しかった。


……正直、病院食ばかり食べていたので食べるのは疲れてしまったが。





大好きな人たち。


彼らとワイワイするのは久々だし、賑やかなのは苦手なこともある。


でも、この家では安心することができた。


私はこんな人たちに話すのをためらっていたのか。




なぜ話せなかったのだろう。

なぜ私はあの家族を信じられなかった?




あした、ちゃんとケリをつけよう。



「……ユアン、明日、家族に話そう。いけるか?」


ユ「俺も言おうとしてたところだよ。大丈夫、とっくに信じてる」



彼らなら、きっと、いや、絶対、聞いても馬鹿にしたりなんかしない。
< 150 / 256 >

この作品をシェア

pagetop