世界一幸せな国Ⅰ


本当に素敵な人に出会った。


心から、そう思う。



しばらく二人で抱き合っていたが、起きてから何も食していないため、盛大に腹の虫が鳴った。




バ「もう10時だわ!ご飯用意してもらうから目を冷やしてからいらっしゃい!」




そう言うと、お母様は私を剥がして走っていった。



バ「テリー!!ローナの朝食を用意してちょうだいー!!」




廊下から、少し高いお母様の声が聞こえる。




「ふふっ」





私は思わず笑ってしまった。






「……どうしよう」





チームを作るか、作らないか。




作ったら、確実に家に迷惑をかける。


でも、この前街に出た時に、みんなの居場所になりたいと思った。



何か、溜まり場だけでも作りたいって。




私が経験した、あの幸せを教えてあげたいと思った。



この国では、暴走族は今、並世学によって注目の的らしい。
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