世界一幸せな国Ⅰ


その一瞬の静まりののち、この1ヶ月で最もうるさいまとまった大きな雄叫びが響いた。



凛とし桜のように美しく。


私たちには程遠い名前かもしれないが、綺麗さだけでは確実に合っていると思う。





「そして!!半袖、用意してます!!」



「「「「おぉー!!!!」」」」



「が?!!!」




「「「「おぉー??!!」」」」




「すみません今日に間に合いませんでした!明後日に届きます!!」





「「「「……おぉー……」」」」




チームカラーを阿呆な方向にに持っていき残念さを促進したのは、紛れもなく自分であると自負している。



しかし、このバラエティ番組を思い起こすこの団結力のあるリアクションだけは気持ちが良いと感じてしまった。



これは完璧だったら見れていなかった。


だから私は正しい事をした。


注文したつもりになっていただけで昨日に気づいたとか口が裂けても言えない。



このリアクションが見れた。




結果オーライだ。






これが全部彼方に読まれていたなんて思っていなかった私は次の日からしばらく肩身の狭い思いをしなければならなくなった。
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