好きのおもさ
河辺さんは店内だというのに、大きな声を出して私を呼び止めた。
幸い客は少なかった。
夕食時だというのに、この飲食店に客が少ないとは珍しいことだ。
河辺さんに呼び止められた私は、後ろを振り返る。
「今度からは、もっと気さくに話しようね!!」
と言われ、手を振られた。
少し口元を緩めた私は、小さく手を振り返す.
そんな私は店を出ると、すぐに家に帰ろうとしていたのだ。
「お疲れさん!!」
しかしまた声をかけられる。
例の同年代の男の人。
背が高くて、優しそうな感じの人だ。
まぁ実際そうなんだが。
外は真っ暗で先が見えにくい。
だから早く帰らせて欲しい。
「お疲れ様です」
「いつも1人で帰ってるの?」
どうしてそんなことを訊くのか….
「そうですよ。
そんなに遠くないですから」