好きのおもさ
こっちはそんなに仲を深めようとも思わないから、濁しながら返事をした.
「唐突で「あ、あのさ!」」
佐川くんと同時に話し始めてしまった。
「ゴメン、先に言って!」
彼はすぐに謝り、私に発言権を与えてくれた.
「じゃあ先に言わせてもらうけど…
私、1人で帰りたい」
「やっぱりそうだよね….
ゴメン、無理にこうやって一緒に歩いて。
じゃあな。また今度な」
と、佐川くんは言うと前を走り出す。
今の私の言葉で気を悪くさせてしまったかな?
それにあの人、何を言おうとしたんだろう。
唐突という単語が出たから、何か私の心の中に入る会話をしようとしたのかな。
でもまぁそれを回避出来て良かったかも。
それに1人で帰りたいって伝えたら、やっぱりって言われた。
この人、私の何かを知ってるのかな。
だとしたら私の何を知っているのだろうか。
もしかしたら彼…私を陥れようとしてるのかな….
何考えてんだろう。
そんな前兆1つもないのに。