好きのおもさ

一度は宇川くんを睨んでみたが、全く効果がなかった.


「れおと~
睨まれてるよ~」


なんて1人の女子が宇川くんをおちょくっていた.


キンコーンカーンコン


と、丁度この時にチャイムが鳴り朝学習の合図をされた.


「言いたいことがあったら言えよ」


集団が解散していくと、宇川くんは私に小声で言ってきた.


「何も知らないからあんなこと言えるんだよ.


私・・・  あんなこと言われたらものすごく傷つくんだから」


私も小声で言った.


「おまえって意外と、デリケートなんだな」


この言葉に返事をしなかった.




デリケート、なのかな・・・


違う.   私はデリケートではなく、


ただ単に



過去を忘れられないだけだ.

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