好きのおもさ
「は? なんて言った?」
この言葉は、私を余計にイラッとさせた.
「球技大会、参加しなければよかった!!」
私は宇川くんに背を向けて、歩き出した.
「なに言ってんだよ!!
球技大会は、みんなで参加するもんだから・・・」
「もうやめてよ・・・
私をクラスの中に入れようとしないでよ・・・」
私は弱々しく言った.
過去のことを思い出しそうで、嫌だった.
この言葉に、彼は何も言わなかった.
これでいいんだよ.
私はクラスに溶け込もうとせず、目立たずにいればいいんだ.
そうすればクラスが少しでも楽になるから.
『お姉ちゃんって、優しい人だね!!
ぼく、お姉ちゃん大好き!!』
過去に言われたことを思い出してしまった.
あの明るい少年の声.
あの声で何度私を葛藤、悩ませられたのか・・・.
そしてこれからもずっと、錯乱させていかれるのか.
怖くて先を見たくないよ.