好きのおもさ
「じゃあ私、帰るね」
「もう帰るのかよ」
「家に帰って勉強したいから」
「俺より勉強の方が大事なのかよ」
「当たり前じゃん」
宇川くんより勉強の方が私は好き.
彼に伝えると、残念そうな顔をしていた.
「そっか. 俺より勉強か.
じゃあもし俺がおまえの前から消えても、おまえはべつに気にならないんだろ?」
真剣に、そして哀しそうに私に言う.
そんなこと言われたら、私の信念が・・・
「そんなこと無いよ.
でも消え方に寄るけどね」
私の前から消えるって、もしかしたらこの世からってことじゃないよね?
ただ単に、引っ越しとか転校とかそういう類だよね?
「マジで?!
消え方か・・・」
彼が俯いて考えている時、私はこの場から立ち去ろうとした.
「じゃあな! また明日!」
さっき真剣に考えてたというのに、もう明るく私に挨拶をしている.