Heat haze〜陽炎〜
でも、結局は告白なんて出来ないまま


私はいつも

「後輩」という先輩の隣の居心地の良さに落ち着いてしまう


「今年は海外にでも行くかぁ?」


突拍子もないことを言う弘人先輩

でも、弘人先輩がいうと本当に行けそうな気もしてしまう


「無理ですよぉ。
お金ないし、パスポートもないし。」


私と愛子が顔を見合わせて軽くため息をつきながら言った


「だよなぁ。」

ニシシっと笑う先輩の顔が一番好き


「じゃ、毎年恒例の湘南ビーチでバーベキューだ!」

「「えー!」」


私たちの悲鳴を無視して
先輩は絶対決定と言わんばかりの満足そうな顔で去っていった



ホントに…


「先輩…好きだなぁ?」


思っていたことをそのまま言われてカァッとなった


「もう!愛子!」


私をからかって笑う愛子
こんな日常が大好きだった
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