Heat haze〜陽炎〜

忘れもの

学校が終わると私はバイトに行く


登録制の派遣バイト


自分の好きな時間に手軽に出来るから始めた


「今日のバイトはライブハウスの設営ね。」


現場に着くと責任者らしき人に一通りの説明を受けた

「インディーズ上がりの有名なバンドだから、コアなファンも多いのでしっかり仕事をしてください。」


ふーん…


フタッフとかかれたネームプレートを首から下げて作業をこなした


立ち見だから椅子はいらないけど、代わりに柵を立てる


かなりの重労働…


私は疲れてヘトヘトだった

鉛のように重い足を引きずってパイプを立てていた時だった


場内にアナウンスが流れる

「ただいまより、リハーサルを始めます。」

そして
ステージに出てきたバンドのメンバー


それぞれの持ち場につく



そのボーカルを見た時
私の中に電流が走った
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