Golden Apple
お茶をごくりと飲み干す。役回りって、もしかして既にミカミの頭の中には策が立ててあるとか?
そういえばリサに言う時は出鱈目だと思っていたけれど、本当は出来てるとか?
考えると、色んな意味で鳥肌が立つ。
「ミカミってスゴい」
「そうですか? ありがとうございます」
「あとさ、敬語」
「あ、すみません」
「いや、もういいよ敬語で。色々噛みついてごめん」
そう言って、皿を重ねて立ち上がる。
シンクに置いて水を流した。
後ろに下がるとどんと何かにぶつかる。
この壁の大きさから考えて、ひとつしかない。