Golden Apple
「え?」
「派手には見えなかったから」
そんなの見た目の問題だけれど。
膝を抱いたキッシーは意味深にふふふと笑っただけで、何も言わない。
何も言いたくないのかもしれない。
あたしは数日前まで、あちら側の人間だったんだから。
昼休み、中庭のベンチに座って目を閉じかける。
ここはあまり人が来ないから、サボるのはもってこいの場所だと思っていた、のだけれど。
「ここ、静かですね」
隣に何か来た。
目を覚まして、ゆっくりとそちらに視線をやる。ミカミはビニール袋を持っていた。