Golden Apple
中に見えたのはサンドイッチとおにぎりとお茶。
「食べる?」
「要らない」
こんなに食べるのか、と少し驚いたけれど、そういうことか。
あたしの餌。
「君は要らないばかりだ」
苦笑するミカミ。贔屓目無しにこの男は本当に顔が綺麗だと思う。
喧嘩なんてしそうに見えない。
…いや、しないのかもしれない。
「だって、あたしの欲しいモノはミカミはくれないから」
ポケットから煙草を出す。一本咥えて、火を点ける。
煙を一度吐き出すと同時にそれを盗られた。
「返して」