Golden Apple
危険だと察知。
立ち上がって避けようとしたけれど、目が回っていてふらつく。
近くにあった灰皿を掴む。
正当防衛でなんとかなるかも。
「やめてください」
制止の声。
あたしの動きと黒縁眼鏡の動きがピタリと止まる。ミカミが現れた。
「トウガ」
「へいへい」
「クラギ、灰皿置いてください」
舌打ちしながらも灰皿を戻す。
赤い椅子に座って片足を乗せた。
唇を尖らせながらトーガと呼ばれた男がソファーへ座った。
ミカミはそれを見て穏やかそうな笑みを見せる。ご満悦ですかそうですか。