星屑ビーナス



「けど、それでも」

「…?」



そう俺が指を指す先にあるのは、レジで会計をする女性客の姿。

その人が持っているのは、俺が中心となって作ったマスカラ。今や定番商品となっている赤いパッケージのそれを手に、笑う顔がある。



「ああいうの見ると、やっぱり辞められないだろ」

「……」



やりがいを感じる度、この仕事をしていてよかったと思えるんだ。

そんな俺につられるように、奥谷も笑う。



「だから、お前も俺に勝ちたかったらもっと現場見て色んなこと学んでいい企画と商品考えろよ」

「はい!」





普段なら、こんな真面目な話も照れ臭くて周りには話せない。

けど真っ直ぐな彼女なら

同じ気持ちで笑うことなく受け止めるだろうって、そう思えるから。




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