星屑ビーナス


(真崎さんも帰ったんだ…珍しい)

あの人も早くにあがることなんてあるんだ、そう思いながらやって来た狭い資料室でコピー機を操作しながら、頭に浮かぶのは先程の二人の姿。



真崎さんは、あの人のことをどう思ってるんだろう

吹っ切れたって言ってたけど…会って気持ちは変わらないのかな

本当に、もう気持ちはないのかな



(…可愛い人だったな)



あの人と一緒にいて、抱き締めたり、キスしたり、将来を誓ったり…

ってあーもう、考えるのやめ!いや!あれこれ考えてひとりでモヤモヤしてる自分がいや!

少し気を抜くとすぐ考えがいってしまう自分に頭をぐしゃぐしゃとかくと、隣でガガガ…とコピー機が音をたてる。



「…はぁ、」



(今日はかおりと美味しいもの食べて気持ち紛らわせよう)

溜息をこぼしながらもそう気持ちを切り替えようとしたその時、背後でガチャッとドアの開く音がした。



「…?、!」



振り向くとそこには、書類を数枚手にした彼女…久保さんの姿があった。


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