星屑ビーナス
「…さすがうちの社員だけあって、毎日化粧してる割には肌が綺麗だな」
「当社の化粧水と乳液を毎日たっぷり使ってますから」
「色も白いし吹出物もない。いい肌だよ」
「……」
顔を両手で包まれながら言われる言葉に、思わず照れを感じてしまう。
(って、褒められてるのは肌のことだし)
その気持ちが顔に表れるより早く、思い上がるな、とすかさず自分に言い聞かせた。
「何でお前は自分に可愛いのが似合わないと思うんだ?」
「何でって…顔の印象がきついですし。いつものメイクの方が周りにもそれっぽいって言われますし」
「ふーん…俺はそうは思わないけどな」
「…?」
話しながらその手は私の顔に下地のリキッドタイプを、その上にケーキタイプのファンデーションを薄めに塗り、ビューラーで目尻の睫毛を重点的に上げていく。