星屑ビーナス
『奥谷さん、最近和泉さんと仲良くない?』
『奥谷さんの周りも仲良くしてるみたいだけどさぁ…正直、やめておいた方がいいんじゃない』
『和泉さんって絶対奥谷さんたちのことバカにしてるよ。男にはモテるけど感じ悪いしさー…』
『……』
いつだったか、知香が同級生にそう言われているのを聞いてしまったことがある。
あぁ、やっぱり。そう思ってなんていなくても、やっぱり私はそう見られていて、知香もこう言われてしまうんだ。
心には、諦めにも似た気持ち。
『えー、そうかなぁ』
『…?』
『多分みんなが思うほど、かおりは嫌な人じゃないよ』
そんな中でも、その声はあっけらかんと言ってみせる。
『かおりこの前さ、大学の入り口で自動ドアに挟まれてたの』
『へ?そうなの?』
『あと授業中に千円札折って野口英世を変な顔にさせてたりしてさ。しかも真顔で!』
『ぶっ、本当に!?超シュール!』
『でしょ?本当はかおりって意外とドジでくだらないことが大好きで、すごい面白い人なんだよ』
『えー、そうなんだ…』
『かおりのこと知ったらバカにするような人じゃないってわかるよ。絶対、わかる』
『……』
『すごく、いい友達だよ』
初めての存在。
触れてくれる、自分を知ってくれる
友達、って言ってくれる
教えて、くれる
ひとりじゃないこと
それがこんなにも嬉しいなんて