星屑ビーナス
「距離の取り方もわからなくてそっけなくする私にも、知香はいつも明るく話しかけて…気付いたらいつも一緒にいた、って感じですかね」
「へぇ…それで就職先も一緒に?」
「えぇ。正直私は特別希望する会社とかもなくて、知香に合わせて決めただけなんですけど」
「それでも受かっちゃうあたりが和泉さんらしいよね」
「まぁ、私が受かって知香が落ちる最悪のパターンにだけはならなくて良かったです」
ふふ、と笑う私に彼はあははと眼鏡越しに笑う。その絶えない笑みに思い出す面影。
『就職活動、どこにする?知香は化粧品会社関係だっけ』
『うん!私は大本命の美粧受ける!』
『じゃあ、私もそこ受けようかしら』
『え!そんな簡単に決めていいの!?』
『えぇ。どうせどこかに就職活動しなきゃいけないわけだし…知香と一緒だったら、試験もきっと楽しいと思う』
『…うん!私もかおりとだったら心強い!』
無事二人とも合格し、入社してから知香は一気に仕事をこなしていった。
元々目標があってやる気のある知香。それは次々と結果を出し、そんな知香をサポートするのが自分の役目みたいなものになっていた。