星屑ビーナス



ー…



翌日。もうすぐ冬に近づく秋晴れの空の下、私はいつも通りの足取りで会社へとやって来た。



「おはよう」

「おはようございまー…あれ?奥谷さんどうしたんですか!?」

「……」



廊下で行きあった商品部の子たちは、私を見ては少し驚く。

それもそう。メイクは昨日真崎さんから教わったものになるべく近いものに、前髪はバッサリと切り目の上に…としたことで、誰が見ても全く違う雰囲気になった自分がいたのだから。



「可愛い〜、何か雰囲気全然違いますね!」

「そ、そうかな…」

「そのアイシャドー何色ですか?綺麗ですねぇ」

「知香、そういうのも似合うわねぇ」

「……」



かおりにまで褒められて、何だか恥ずかしくて照れてしまう。

(気恥ずかしいけど嬉しい…)



< 36 / 334 >

この作品をシェア

pagetop