星屑ビーナス
ー…
翌日。もうすぐ冬に近づく秋晴れの空の下、私はいつも通りの足取りで会社へとやって来た。
「おはよう」
「おはようございまー…あれ?奥谷さんどうしたんですか!?」
「……」
廊下で行きあった商品部の子たちは、私を見ては少し驚く。
それもそう。メイクは昨日真崎さんから教わったものになるべく近いものに、前髪はバッサリと切り目の上に…としたことで、誰が見ても全く違う雰囲気になった自分がいたのだから。
「可愛い〜、何か雰囲気全然違いますね!」
「そ、そうかな…」
「そのアイシャドー何色ですか?綺麗ですねぇ」
「知香、そういうのも似合うわねぇ」
「……」
かおりにまで褒められて、何だか恥ずかしくて照れてしまう。
(気恥ずかしいけど嬉しい…)