恋の相手はお隣さん。
「私、ひとりで帰れるから……響は、買い物してて」
「おい……紗英?」
鈴井さんに頭を下げてから、足早にふたりから離れ、コンビニから飛び出した。
響の声が後ろから追ってくるけど、振り返ることができない。だって今、響の顔を見たら、醜い嫉妬をぶつけてしまう。
けれども響はすぐに追ってくると、私の肩を掴んで振り向かせた。
「……紗英。なんだあの態度」
「だって、響が……!」
「俺が、なんだ? それはお前の態度が悪い理由になるのか」
子供の言い訳なんて呆気なく叩き伏せられて、容赦なく責められる。
本当は、私が悪いんだってわかってる。だけど謝る代わりに口から出たのは、子供じみた嫉妬心だった。
「だって鈴井さんと並んでる方が、絵になってたんだもん……っ」
嫉妬が心の中に広がって、素直に謝ることを拒否してる。
たったひと言でもいい。響が私をどう思っているのかを聞きたい。でも響が何も言ってくれないから、余計に不安になってしまう。
「――話にならないな」