恋の相手はお隣さん。


おでこを押さえながら文句を言おうとした時、目の前にコンビニの袋を差し出された。

「食え。んで、飲め」

袋いっぱいに入っていたのは、私が好きなお菓子や飲み物ばっかりで。そんな何気ない優しさに、また鼻先がツンと熱くなってしまう。

「おっ前、涙腺壊れてんなぁー」
「蒼汰が、柄にもなく優しいからでしょ……っ」

ひとりでいると、考えるのは響のことばっかりでつらいから。そんな時に優しくされたら、我慢できなくなって涙が溢れて止まらなくなった。
蒼汰の前では泣きたくなかったのに。泣いてしまったら、私には響は無理だって認めてしまうみたいで嫌だったのに。

「……だからお前には無理だって言ったんだ。相手が悪すぎるんだよ。ロクな経験のないお前とじゃ、結果は目に見えてる」

にべもない蒼汰の言葉が、グサッと胸に突き刺さる。反論もできずに、ひたすら声を上げて泣いていた。
好きだって気持ちだけでは、どうにもできないことがある。それを認めたくなくて足掻いていたけれど、やっぱり無理だったんだ。

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