恋の相手はお隣さん。
一瞬で響の腕に奪われると、驚く間もなく玄関に引き入れられて、壁に押し付けられた。バン! と大きく音を立ててドアを閉めると、そのまま鍵をかけてしまう。
締め出された蒼汰が、ドアの向こうで大声を出しているのが聞こえる。
息がかかるくらい間近にある響の顔は、普段の様子とは全然違う。まるでこの前見た時の、義務でキスされた時みたいに……ううん、それ以上に、怖い。
それでも、口唇が触れるくらい近くにいる響に鼓動が大きく跳ね上がって、自分の置かれている状況も忘れて見惚れそうになる。
「何しに来たかと思えば……」
外で騒ぎ立てる蒼汰に構わずに、響は逃げ場を封じるように私の両脇に腕を置くと、あからさまに不機嫌な声を吐き出した。
「そんなにあいつと会わせたかったのか?」
「ちっ……違……っ」
「だったら何しに来た? 俺を避けてたお前が、他の男を連れて……何しに来たんだ」
言葉は静かだけど、怒っていることは十分に伝わってくる。
「響……ごめ……ごめんなさい……っ」