【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー
芸術ホールに辿り着くと、永太の言う通り、同い年くらいの子達も大人の人も沢山来ていた。



「ホントだ…人気なんだねぇ。」



「毎年ふしがらんだしよ。」



興奮気味にふん、と鼻息を荒くする雅治は、毎年澪ちゃんの公演を楽しみにしているのだろう。



「去年は『魔笛』一昨年は『トスカ』でしたが、澪の歌声や演技力は当時から凄かったですから。」



永太がオペラ好きなのは、なんかイメージと合う。私や雅治より詳しいのだろうか、今回の公演も数日前から心待ちにしていたようだ。



有り難いことに、私達三人は澪ちゃんが用意してくれていた最前列で公演が楽しめるらしい。



私もうきうき、としていると、どこからか視線を感じてギクリ、と背筋が伸びた。
< 135 / 248 >

この作品をシェア

pagetop