【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー
「澪はね、本当は演劇の道に進もうと思っていたんです。でも、役に取り憑かれてしまうのが原因で、諦めざる得なかったんです。」



「ヤシガ、美容ぬくとぅもグマー頃からしちゅんやったし、うまぬくとぅを学ぼうと決めたぬもわん自身さぁ。」



まだちょっと凹んだ感じの澪ちゃんがそう言うと、永太が優しく微笑み澪ちゃんを撫でた。



「ヤシガ、うんぐとぅくとぅあびったらアリやしが、澪んかいキスさりゆん悠莉、色っぽかったな。」



何だかずっと重たかった空気だったけど、雅治が突然思い出したらしく、ニヘラっと間抜けな顔をして笑う。



「ちょっと!空気読め!何言ってんのこの王子様は!」



「永太ァ、トイレ貸してとらせ!うひぐゎー鎮めてちゅーさ!」



雅治はチラリと私を見ると立ち上がり、永太の返事を待たずして居間から飛び出した。



「貴方、使ったあとはファブって下さいよ!」



「オイコラ待てェ!何を鎮めるんだ雅治!ちょっ!雅治ゥゥ!」



さっきの空気はどこへやら、雅治の行動のせいでいつの間にかいつも通りの賑やかさを取り戻した。



まあでも、澪ちゃんは穏やかに一部始終を眺めているし……いい、のかな。
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