【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー
「あー、やまとぐち、くてーた!」



「殆んど訛ってたけどね。」



いつものうちなーぐちに戻った雅治が頬をすりすり、と動かすのを見ていると、穏やかな気持ちが溢れる。



「べーるやぁ、悠莉がけーるぬ。ちゃーわんぬ隣んかいいればゆたさんぬんかい。」



帰るのが嫌だ、ずっと隣にいればいいのに、なんて、そんなこと言われて嬉しくない人間がこの世にいるのだろうか。



「ちょぎりーさー、離しちゃんこーねーん。」



静かにぎゅっと抱き締められたら、私のこの高鳴る鼓動が雅治に届いてしまうんじゃないかと思い、更に早さが増していく気がした。



横の雅治の白い指先が顎を捕らえ、ターコイズブルーの瞳がふっと瞼に隠されたその時。



…………………ピロリロリン、とこの甘い、ロマンチックな雰囲気には似つかわしい、スマホの着信音が響き渡った。
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