【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー
そんな雅治はふいに、温もりの重なる手を自分に引き寄せて、手を離し、私の肩を抱く。



「悠莉、わん、やーがけーってもメーナチ電話もメールもするから。金貯めて会にもいちゅんから。」



「うん。待ってる。私も毎日電話もメールもするよ。東京来てくれたら、いっぱい案内するから。」



離れてしまうのは寂しいけど、でも、絶対に雅治から気持ちは離れたりはしないよ。



雅治を見ると、そのターコイズブルーの瞳が私の目を優しく見つめ返した。



なんて綺麗なんだろう。沖縄の海より、空より、どんな景色より、雅治のその目は綺麗だ。



ふっとその目を細めてキラキラと笑った雅治は、急に立ち上がり、波打つ青の方に走っていく。



いつも雅治の取る行動は急で、早くて、眩しく輝いている。



「ユーリィィィ！かなさんどぉぉ！！」



そして、青い海に向かって声をあげた雅治は、くるりとこちらを振り向き手を広げる。



私もそれに答えるように立ち上がり、勢い良く走ると、雅治のその体に体当たりするように飛び付いた。



その勢いが予想以上だったのか、雅治はよろり、と体勢を崩し、抱き締めた私ごと海に転がり込んだ。
< 209 / 248 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop