【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー
雅治は、観光地ではないけど綺麗な青の広がる海へ私を引っ張ってくれた。
二人寄り添うように海岸に腰を下ろして海を眺める。繋いだ手は、決して離さないままで。
「わんな、ビックリしちゃんよ。悠莉や永太を選ぶとうみとったんから。わん、あぬひゃーみたいにスマートにカッコいいくとぅ出来ねーらんし。」
波打つ音と共に、雅治の優しいテノールボイスが私の耳を擽る。
この夏休みの間、雅治を見ていて思ったのは、雅治は永太や澪ちゃんに対して劣等感を抱いているということだ。
ずっと一緒に過ごした三人だから、お互いの良いところも知り尽くしてるし、だからこそ、自分に無い部分を羨ましく思うこともあったんだろう。
でもね、分かっててほしいことがある。
「私はね、雅治の、不器用だけど誰よりもまっすぐなところが好きになったんだよ。器用じゃなくていい。」
バカで、後先考えてなくて、不器用で、まっすぐで、眩しい雅治が好きなんだ。
私の言葉に、白い肌を赤く染めて抱えた膝に顔を埋める雅治が、どうしようもなく可愛い。