【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー
「何ですかそのだらしのない顔は。まるで熱帯魚ですね。海の中もそのうち案内しますから、同じ顔が見れますよ。」




ちょ…爽やかに鬼畜発動しやがったよコイツ。



「ジュラシックパークから熱帯魚って…格上げ?」



「まあ格上げでしょうねぇ、多分。」



ふわふわ、と頭を撫でられ、言い返す言葉も見つからず、髪の毛を乾かすのを再開する。



永太は歯磨きを済ませ、顔を洗うとスタスタとその場を後にする。



私はキスを落とされた後頭部を擦り、自分の、不覚にも赤くなってしまった顔を鏡で確認する。



大きいせいか、睨んでる感満載のそのすっぴんの吊り上がった目。



『訂正します。』という、永太の甘い声を思い出して、その顔がまた、燃え上がるように熱くなった。



「クソクソ…美形め。あんなの、ずるいっしょ。」



あんなことされたら…惚れるじゃん。鬼畜なの知ってるから、絶対惚れてやんないけど。
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